第14回隠岐古典相撲
隠岐古典相撲は、古くから島で大きな祝い事があるたびに行われてきました。 昭 和47年に第一回大会が開催され、今回で14回目となります。 隠岐相撲の歴史は古く、千二百年前より宮中で催された天覧の相撲が始まりともいわれていま す。 古くから行われてきた隠岐相撲ですが、敗戦後の社会変化とともに相撲大会は一度途絶えていました。 この状況を憂い地元の愛好者や役力士経験者(隠岐大巾会)が集い、 昭和47年五箇村・水若酢神社二の鳥居竣工を祝って相撲大会を開催し、 隠岐相撲を復活させました。 これが第一回隠岐古典相撲大会です。 隠岐古典相撲の特徴は、二番勝負で取組まれることです。 先勝した力士は、二番目の勝負で勝ちを相手に譲ります。 狭い島内で、勝ち負けのしこりを残さないように という先人の知恵が今に伝わっています。 また、相撲は夜通し行われます。初日夕方頃に開催され、 すべての取り組みが終わるのは翌日昼過ぎ頃です。 隠岐古典相撲は、古くから 島民に親しまれ、夜中でもたくさんの観客が取組を見守ります。 数年に一度不定期に開催される隠岐古典相撲は、島民の楽しみであり、 “島が一番盛り上がる 日”と言っても過言ではないでしょう。
隠 岐古典相撲は、 祝い事があった地区を座元(ざもと)・その他の地区を寄方(よりかた)とし、 島内を二分して対戦します。 座元・寄方ともに、役力士を選ぶの ですが、役力士は社会貢献度や地域の代表として、 心・技・体すべてに優れるとの評価を経て選抜されます。 そのため、選ばれることはとても名誉であり、 特に 位の高い正三役・大関に選ばれることは島民の憧れでもあります。
※一番位の高い役が正三(赤枠内)であり、 次に番外(青枠内)、番番外(黄色枠内)と続く。 番付は座元側から会議で決定し、次に寄方側の役力士を決定します。 役力士同士、ほぼ力が同じ相手であり、 なおかつ心・技・体に優れた者を選抜しなければなりません。 役相撲は一番最後に行われ、その前に役相撲の前相撲、 顔見せ土俵入りや割相撲(役力士以外の取組)が行われるため、長時間におよびます。 出場力士は総 勢約200名、取組数は役300番にもなるのです。 今大会(第14回隠岐古典相撲大会)は、 新隠岐病院開院祝賀奉納で平成24年7月28日(土)~29日(日)に行われ、 前大会より約5年ぶりの開催となりました。